「カフェ・エッセンス」が閉店して数ヶ月が経ちました。 始まった当初は「1クール(3ヶ月)は行けるだろうけどその後はどうかな・・・」という考えが頭の中にあったので, まさか3ク−ルも続けられるとは思ってもいませんでした。 しかしファンの皆さんの暖かい後押しのお陰で,実りのある、とても濃い9ヶ月を過ごさせていただく事が出来ました。 「夏コミ」そして「スペシャルブレイク」と,間近で皆さんと触れ合えた事は、僕にとても大きな力、そして勇気を与えてくれました。 「カフェ・エッセンス」はこれでいいんだ。 スタッフと創り上げてきたこの番組は間違っていなかったんだと。 収録前から,常時2〜3種類、もしくはそれ以上の「お菓子たち」がテーブルに所狭しと並べられ、 そこでまず軽い打ち合わせの後、「竜の洞窟」のカフェ・オレをいただきながら、今日のお菓子談義に花を咲かせる。 そして充分に「ゆる〜く」なったところでスタジオへ。 ここを本当の「カフェ」として捉え,毎回違う「お菓子」や「御飯もの」を用意してくれている「お菓子大王」「ヴィヴィッドカラーのIさん」。 「お菓子大王」と双璧のプロデューサーでありいつも「カフェ・エッセンス」のwebぺージをしっかりと管理してくれている、バイク大好きなY山さん。 忙しいスケジュールの中,いつもいつもキッチリと台本を仕上げ、全てに目を配り、様々な連絡・チェックなどを欠かさずに行ってくれている ディレクターの広瀬さん。 「ノンストップ中原」の構成作家・出演だけではなく「カフェ・エッセンス」の絵やバナー,「スペシャルブレイク」のページの制作更新、 冬コミケ限定「同人誌」発行など、八面六臂の活躍を、いつも元気よくしてくれている島さん。 ミキサーの仕事をしっかりとこなし,再編集など色々な注文に嫌な顔一つせず、黙々と作業をしてくれる村上くん。 「竜の洞窟」という素晴らしい環境のスタジオを御提供いただき,いつもとてもチャーミングな笑顔でその場を和ませてくれる、おりねさん。 この7人が「カフェ・エッセンス」を支えてくれている中核のメンバーになるのですが,他にも、ウォーターオリオンの後藤さん、同じくFさん、 ロックンバナナのマネージャー磯崎さん。 「スペシャルブレイク」でミキサーをしていただいた、西沢さん。 特に前述の方々7人には,僕は頭があがりません。 「カフェ・エッセンス」をオープンして強く思ったのは,当たり前かもしれませんが「一人では何も出来ない」という事です。 「カフェ・エッセンス」は僕に,人と人との繋がりの大切さ、「絆」の大切さを再認識させてくれました。 いつもいつも僕が気持ちよくスタジオに居られるのは,マイク前でリラックスして喋っていられるのは、全て「チーム」のお陰なんだと。 僕はこの年(47歳)にして,本当の意味でその事に気が付いたのかもしれません。 今,このタイミングだからこそ、やって良かったんだとつくづく思っています。 そしてそれを聴いてくれる皆さんがいる。 「カフェ・エッセンス」の雰囲気を感じてもらえる皆さんがいる。 おっと忘れるところでした。 「ゆるカフェ劇団」の面々,五十嵐さん、仁くん、浜添くん、キヨヒロくんも、いつもいつもありがとう。 そして匠の域とも言える「消しハン」を制作してくれている上里くんもありがとう。 これから君達にもまた迷惑を掛けるかもしれないけど,これからもよろしく。 勿論,リスナーの皆さんには、何度感謝してもしきれません。 「カフェ・エッセンス」はこのような素晴らしいスタッフ達に支えられて9ヶ月という時間を駆け抜けました。 また皆さんと「ここで」再会出来れば。 その日が来る事を祈りながら、僕はカウンタ−に立ち続けたいと思います。 「カフェ・エッセンスへようこそ」 その言葉から始まる新しい物語に思いを馳せながら・・・ 〜エピロ−グに変えて「もう一つのカフェ・エッセンス」から見える風景〜 「ふ〜っ・・・」 手に息を吹きかける。 店を開店して初めて迎える「クリスマス」だった。 過度な装飾はせず,電飾を少し施した、常連が持ってきてくれたこぶりの樅の木を、奥に置くに留めた。 オ−ナメントは客が勝手に付けていった。 今ではいっぱしのクリマスツリ−になっている。 夜の帳が早く降りるこの季節。 店の中には,暖かな光が点滅している。 窓の外には白いものが見え隠れしている。 朝起きた時には一面の雪景色だったのだ。 夜中に,しんしんと降り始めていたらしい。 全ての音が吸い取られてしまったかのような夜の中,暖炉の薪が燃える音だけが、いやにハッキリ聞こえていた。 その隙間に柱時計が時を刻む音。 時々薪が崩れる音と,炎が爆ぜる音が店の空気を少し掻き回す。 冬は閉店の時間を決めない事にした。 雪を見た途端そう思ったのだ。 「ボ〜ンボ〜ン」 という音に振り向くと,時計の針は21時を指していた。 突然凍てついた空が見たくなり,カウンタ−を出て外に出た。 キンと冷えた空気の中,見上げると遙か彼方の高みから、雪が規則正しく落ちてきていた。 掌に雪の結晶を認め「ふ〜っ」と息を吹きかけてみる。 じわ〜っと私の手に溶け込むように,それは急激に姿を失くしていく。 今日はこれで終いにしようかと札に手を掛けた瞬間。 「マスターまだいいかな?」 という陽気な声が掛かった。 「いいですよ」 闇の中から顔を出したのは,店に樅の木を運んで来てくれた、Oさんだった。 そしてその後ろからぞろぞろと3人程が現れた。 ほろ酔い気分の4人を店に招じ入れた私はもう一度空を見上げた。 右頬にじわ〜っとした感覚を味わった刹那、私も店に歩を踏み入れた。 「ブレンド4つね!」 カウンターに戻った私は,火をつけ湯を沸かし始める。 ツリーは変わらず暖かな灯りを揺らしていた。 静かな静かなイブの夜が,いつもと変わらず過ぎていこうとしていた。 そして初めて迎える雪の中での日々が,私の気持ちを少し高揚させていた・・・ 中原 茂 |
||
こちらのサイトは2009.8.24に閉鎖いたします。 イベントやラジオへの応援ありがとうございました。 |