「ゆるカフェの仲間たちへ」〜ある日のマスタ−〜


カタカタカタカタ・・・・・

プリンタ−から吐き出されてくる用紙を手に取り,メニュ−別に振り分ける。
最新のメ−ルをプリントアウトし終えたところで,古い順からもう一度眼を通し始めた。
傍らには,以前、地元の「スタバ」で買い求めた「十六夜」と呼ばれる、深いブル−を基調としたグラデ−ション
が美しい陶器のマグカップ。
自分スペシャルのカフェ・オレが豊かな香りを湛えている。
各メニュ−ごとに今回紹介するメ−ルをチョイスすると,クリップで留め、収録の為の進行台本と一緒のクリアホルダ−に入れていく。
「風のゆくえ」で読むタイトルを手に取り,チェックを始める。
夏の季節には夏のタイトルを読もうと,毎日の暑さの中でなんとなく決めていった。
「あの夏はこんな風に,こんな事を思って過ごしてたんだ」
何年か前の自分と相対しながら,新鮮な気持ちで読み進める。
あの日の風景が,あの暑い陽射しと共に、僕の中に立ち上がってきた。
練習の為に読む事は殆どなく,当日の自分の気持ち次第、徒然なるままにといったところだろうか。
マグを口に運ぶ。
「フゥ〜」
バッグにいつもの小物達を容れていく。
最後に,台本をレザ−ホルダ−に挟み、静かに閉める。
オリンピックを見ようとテレビをつけた瞬間,先日の「カフェ・エッセンス」スタッフとの企画会議が憶いだされた。
最初は,親睦の意味も込めて開いた飲み会だったのだが、後半は、これからの「カフェ・エッセンス」の展開についての話になった。
僕は話しながら,スタッフの話を聞きながら「自分は幸せ者だ」と思っていた。
この環境を決して「当たり前」とは思わず,感謝の気持ちを忘れないようにしなければと。
そして僕が僕らしくその場に在らねばと。

携帯が振動する。
(僕は常時携帯をマナ−モ−ドにしてあるのだ)
ディレクタ−の広瀬さんからのメ−ルで「今回の木陰のハンモックは何にしますか」という内容だった。
「本番までには決めますので」と返す。
すぐさま「了解しました」と帰ってきた。
広瀬さんは,僕が喋る事に関しては「何も心配してません」「信頼してますから」というスタンスで何時も接してくれる。
だから「マイクの前で決めます」と言っても平気な顔でいてくれるのだ。
他のスタッフしかり。

最近思うのだ。
「座長は俺なのだから,堂々と前を向いていよう」と。
そして,いつも先頭に立っていなければと。

今年の「暑い夏」
自分の中には,それ以上に「熱い想い」が燃えている。

この「熱さ」は夏が過ぎても決して冷める事などない。
そう,それどころか、ますます加速していく筈なのだ。

ゆる〜く。
そして静かに。

時には力強く・・・




2008/8/12(火)01:06 「自宅」にて









2008.8.16